みなさま こんにちは MIDORIです
昨日、パリ・オペラ座バレエ団による『天井桟敷の人々』を上野の東京文化会館へ観に行ってまいりました
このポスターの麗しいお二人のエトワールが主演&日本初演ということで、S席25000円という高額なチケットではありましたが、とっても楽しみにしておりました
先日ご紹介しました映画『天井桟敷の人々』は、なんとかDVDを鑑賞し(やっぱり途中で寝ましたが・・・)予習は万全(?)
開演30分前から、なんとロビーでダンサーによるパフォーマンスが始まりました
そう、映画でも、舞台となる劇場前で、開演前には劇場の役者や踊り子・大道芸人などが客引きのために路上に特設された舞台でパフォーマンスをしていました・・・開演前から映画で観た雰囲気が感じられ、なんだかテンションがあがってきましたよ
ロビーにいる観客に早く席へ行くよう促しながらパフォーマンスを披露するオペラ座ダンサー
会場は満員御礼状態・・・初めて目にするバレエの舞台に胸が高鳴ります
残念ながら、舞台の撮影は禁止のため、写真でお伝えすることは叶いませんが、主演の二人は本当に役のイメージにピッタリで、ひときわ輝きを放っていました
マチュー・ガニオ扮するバチスト(パントマイム役者)、イザベル・シアラヴォラ扮する妖艶でミステリアスな美女ガランス、バチストを慕う劇場の女優やバチストと同じ劇場で役者となる女ったらしの俳優・・・ガランスを見染めた大富豪、宿屋の女主人、闇の世界の妖しい男などなど様々な人々の関係が交錯し、それぞれの人生模様を中心にストーリーが展開していきます
男女の三角関係や、嫉妬、恨み妬み、陰謀・・・文字にすると暗くて恐い言葉ばかりですが、舞台上で繰り広げられる一場面一場面は幻想的でもありどこか抒情的・・・何といってもマチュー扮する主人公バチストのピュアで切ない表情や内に秘めたエネルギーに、たびたび観ている私達の心が救われるようでした
映画ほど無駄に長い台詞や単調な場面がないからか、テンポよくあっという間に時間が過ぎてしまいました
さて、一幕75分という長い時間の上、幕間の休憩時間は25分・・・化粧室に駆け込むには充分な時間がありますが、なななんと!またもやロビーでパフォーマンスが始まりました
しかも、劇中で俳優役だったダンサーがそのまま俳優としてシェイクスピアのオセロの名場面をロビー大階段で演じます
あっという間に人だかりで、よく観えなかったので写真もありませんが・・・まぁ何という演出でしょうか
ロビーには相変わらずこんな人が至る所に立っています
無表情で何も話しませんが、写真はOK (笑)快くツーショット撮影にも応じていました
化粧室へ行き席に戻ると・・・
なななななんと、舞台の幕が上がっており、舞台上では沢山のダンサー達がリハーサル中
指導しているのは、この作品の振付をした元エトワールのジョゼ・マルティネス師・・・
舞台上のダンサーは稽古着の人と衣装の人と混ざっていて・・・
いつの間にか、客席のライトが落ち、ジョゼや稽古着のダンサーが袖に消えて、衣装のダンサーだけが舞台上に残ったかと思ったら、そのまま二幕目が始まりました
見ごたえあるコールドとグラン・バ・ド・ドゥ
これぞオペラ座と言わんばかりのエレガントで見ごたえのある群舞でした
そして、その後、更に複雑な人間模様が展開し・・・バチストとガランス・・・マチューとイザベルの切なく激しい二人のパ・ド・ドゥが最高の見せ場となり・・・ラストは最悪な三角関係の展開となり、結局バチストの元からガランスが一人去っていくのでした
FIN
映画では、長かった割には最後の結末が意外とあっけない感じがしましたが、舞台では余韻が残り・・・心がキューンと切ないまま終わります
古典バレエとは違う、リアルな人間模様が台詞が聞こえてくるような現代バレエが私は大好きです
この大作『天井桟敷の人々』を抜群のセンスとサービス精神満載の演出・振付をしたジョゼ・マルティネスは、ケネス・マクミランやジョン・ノイマイヤー、ジョン・クランコなどに匹敵する天才なのではないでしょうか
そしてもう一つ特筆すべきは、衣装デザインを現役エトワールのアニエス・ルティストゥが担当していて、本当に本当にセンスが素晴らしく、素敵な衣装のオンパレードでした
この舞台は、また機会があったら是非観たいバレエ作品となりました。
マチューも、映画を何度も観て役作りをしたそうですが・・・映画のバチストがそのまま生で目の前で演じているのではないかと思うくらい雰囲気や感情表現がそっくりで、またこのバチストというキャラクターは、マチュー・ガニオというダンサーの魅力が最大限に生きた役でもあったかなと感じました。
長くなりましたが・・・最後に、プログラムの表紙です
手脚の長いマチューのバチスト
どこか詩的で哀愁がただよっている雰囲気を感じませんか?
投稿者:MIDORI