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2009年6月 6日 (土)

望んでいることと、やっていること。いつも同じですか?



お久しぶりです!

気がついたら前回のコラムから半年も経ってしまいましたね。

テレビで○○蹴りを見せて以来、男性に距離をおかれている気がする武道系バレエ講師、安藤万里子です。



さて、今日のコラムでは、誰もが陥りやすい

「目標のためにとる手段が、いつの間にか目標になっている」

という本末転倒な現象を、

バレエのレッスンに置き換えて簡単に説明しますね。

これを知ってレッスンに臨めば、

今までなかなかたどり着けなかった目標の達成が断然早くなりますよ!!



あなたの目標、いつの間にかすりかわっていませんか?



今、バレエを習っている貴方は恐らく

「バレエがうまくなりたい」

「キレイにやせたい」

「姿勢をよくしたい」

「昔から憧れていた」

「純粋に踊りを楽しみたい」

といった理由からはじめられたのだと思います。



このとき、皆さんは「バレエのレッスンを受ける」という手段で

「上記のどれか」の目標を達成することを望んでいるわけです。

↑ココを覚えておいてくださいね♪



それでは、実際にクラスで踊っているとき、どんな意識を持って動いていますか?

やせたいっ! (と思いながらアラベスク)

うまくなりたいっ!! (と思いながらピルエット)

うーん、違いますよね…。

よーく思い出してみてください。

一生懸命踊っているときに漠然と感じている想いってなんでしょう。



「頑張る」

「失敗しない」

「上手に見せたい」

ではないですか?

実は、この〈心持ち〉がネックだったりします。



日本人は、本当に頑張りやさんなんです。



でも、頑張る方向を間違えると、

「誰よりも努力しているのに、報われない」

という理不尽な現実が待っています。



細やかな気配り、繊細さ、地道な努力や創意工夫など、

周りの人や環境に合わせ、「全体と個」を見つめる文化によって培われた

素晴らしい日本人の能力は、現代に至っては

何も考えずにとにかく人に合わせる(みんな一緒だから何をしても怖くないという集団犯罪、巻き添え)、傷つきやすいだけの心の繊細さ(引きこもり、ネット犯罪)、

見て見ぬフリ(犯罪に巻き込まれたくない心理)、都合の悪いことは隠す(企業の隠蔽)、感情を抑圧しすぎる…(衝動による犯罪、痴漢)

という悲しすぎる方向に向かっています。



私が思うに、

今の日本は色んな状況で

「頑張り方を間違えている」のではないでしょうか?



じゃあ、バレエのクラスではどう頑張ればいいの?



海外でも数年間、バレエやダンスのクラスを教えていましたが、

日本人の生徒さんは、本当に真面目で努力家です。

でも、その努力を「とにかく頑張ってクラスを受けて踊りまくる!」

という達成感で満たしてしまおうとしがちです。



うまくなるために、量をこなすことはとても大事です。

バレエも、どの運動も、結果を出したいのであれば最低週2回のレッスンは必要です。

ただ、常に自分が『何を目標にしているか』に注意を向けて行動しないと、

思ったより前に進めないものなのです。



では、具体例を挙げてみましょう。

私が講師としてクラスを教えていて

面白いな、と感じることのひとつは

バーで「バランス」を取ろうとしている生徒さんたちの行動です。

バランスが取れない不安定な状態だとわかっていても、

バーから手を離そうとします。

「わかっていても」です。



落ち着いて考えれば、

たとえそこで無理やり手を離して、1秒間バランスが取れたとしても

ただの賭けになってしまって、本当の意味で「できた」ことにはなりませんよね。

バランスする時にやるべきことは、まず手を離す事ではなく、

「そのポーズでバランスが取れる姿勢や感覚を身体で掴む」

ということです。

それがわかれば、いつでもどこでも、バランスをとる事が出来るんですよ。



では、なぜ一瞬でも手を離そうと頑張ってしまうのでしょう?

それは、

無意識に「今バランスを成功させたい=できた!と感じたい」

という欲求を満たそうとするからです。



その結果、今やっていることに対して

「できるか、できないか」

ということがいつの間にか、レッスンの目標に変わっていきます。

無意識の領域って、コワイですよね。



できなくても、いいんです。



私のクラスの生徒さんには、バーでのバランスの際、

◎「バーから手を離しても大丈夫かも信号」を身体で感じるまで

バーに手を乗せて、色々身体を調整してみる。

◎自分なりに「こうかも?ああかも?」と身体で工夫してみてから、

正しいかの確認のためにバーから手を離してみる。

ということを実践してもらっています。



グランバットマンは、足が高く上がらなくていいから、

上半身に力が入らない足の使い方を徹底します。

(「できる」=「足を高く上げる」ではないというマインドが大事です)



これが、私のクラスでの「頑張り方」です。

とにかくMAXパワーで力を入れて頑張る、という筋肉のアプローチは一切しないので、

皆さんとっても戸惑っています(笑)



なぜ力任せじゃダメかというと、

自分が出来ないことは、感じたことのない領域を使うことだからです。

それでは、わかりやすい例を挙げてみます。



「頑張って耳を動かしてください」と言われたら、みなさんはどうしますか?



動かし方がわからないので、

ほとんど念力を使って、耳に集中しますよね?(笑)

で、よくわからないまま頑張っていると、耳が突然ピクッと動いたりします。



ここで、自分が今出来ることをやってみても、

例えば、耳を引っ張ったり、顔をおもいっきり動かしてみても、

なーんの意味もないんですよね。



そうなんです。

皆さんが出来ないことは、身体が《使い方》を忘れてしまっていることなのです!



だからこそ、身体に使い方を思い出してもらうためには、

「今まで感じたことのない感覚を追う」のが大事になってきます。

かなり気持ち悪い感覚ですけどね(笑)



ズバリ言います。(←細木数子?)

自分のクセ、つまり『自分が簡単に出来ること』をやっても身体は進化しません。



未知の感覚に挑戦していくことで、

レッスンの最初から最後まで

「今、出来たと感じる」のではなく、

「自分の身体を知っていく」=「ゆるぎない基礎をマスターする」

という目標を持って踊れるようになるのです☆



もちろん、その先にあるのは

「楽しさ」「美しい身体」「ゆるぎないテクニック」

という、皆さんの根本の《望み》です。



心から望んでいることと、そのためにやっていること。

その2つが同じ線の上にあれば、目標達成は必ずできるんですよ!



いやーとうとう、身体進化のための極意を伝授してしまいました。



実は、それぞれの身体が「出来ないこと」を知ることが

上達への大きな一歩なんですね~。



上記の言葉をネガティブにとる方もいらっしゃるでしょうが、

いえいえ、これはとっても前向きな提案です!!



さて、毎度ながらアツくなりすぎて長文になってしまったので、

次回は『出来ない事だらけのほうが、人生を楽しめます♪』

というテーマでお話をしたいと思います。

劣等感を抱えているそこの貴方!必見ですよ!!



<アンドウマリコ>

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